TGF-β pathway activation by idiopathic pulmonary fibrosis (IPF) fibroblast derived soluble factors is mediated by IL-6 trans-signaling
Gali Epstein Shochet , Elizabetha Brook, Becky Bardenstein-Wald and David Shitrit
Respir Res. 2020 Feb 18;21(1):56.
IPFは慢性進行性の肺疾患である。Fibroblastの活性化が線維化のカギであり、それらと免疫担当細胞との相互作用が疾患の進行に関与している。
これまでの報告
・fibroblastが疾患の進行を促進する線維が細胞増殖シグナル、血管新生シグナルを分泌
・損傷が持続すると、創傷治癒プロセスは炎症段階を経てIL-1、TNF-αのlevelが上昇し組織のリモデリングが行われる。
・IL-6はIPFのfibroblastで高発現。IL-6欠損マウスはwild typeと比較してブレオマイシンによる線維化が抑制される。
Figure1
・IPF-HLFを培養した際の培養液上清中のIL-6はN-HLFと比較して高い。
・IPF-HLF-SNでNHLFを刺激するとはSTAT3のリン酸化が亢進、SOCS3も高発現している。
Figure2
・組織レベルでは正常の肺組織と比較してIPFの方がIL6Rの発現、STAT3のリン酸化、SOCS3の発現ともに低いがHLFのレベルではIPFで高発現している。Base lineとしてSTAT3経路の過剰な活性化があると想定される。
Figure3
STRING解析:蛋白質の相互関係をみる解析
・TGF-βのシグナル因子であるSMAD3とIL6はSTAT3を介した相互関係がある。
・IPF-HLFではNHLFと比較してリン酸化されたSMAD3が高発現している。
STAT3とSMAD3の関連について
・IPF-HLFでは可溶性IL6Rが高発現しており、トランスシグナル伝達が関与している。
Figure4
・IPF-SNで刺激するとpSmad3が高発現。
・pSmad3の発現はTCZ投与で抑制される。(pSmad3はIL6のトランスシグナリングと関連)
・線維化促進因子であるGREM1も同様。
・IPF-HLFは細胞増殖能がNHLFと比較して高い。
・細胞増殖はTCZ投与により濃度依存的に抑制される。
・IPF-SNでNHLFを培養すると細胞増殖は促進され、TCZ投与で抑制される
conclusion
IL-6/STAT3/Smad3経路は線維化の病態を促進する可能性があり、TCZで抑制することができる。
担当:古屋 秀和