Interleukin-36 family dysregulation drives joint inflammation and therapy response in psoriatic arthritis
Marie-Astrid Boutet , et al.
IL-36・・・IL-1 family
Agonist ・・・IL-36α、IL-36β、IL-36γ
Antagonist・・・IL-36RA、IL-38
*IL-36β_IL-6やIL-8のほか、微生物病原体に対して防御作用を有するβ-Defensin 2/3といった細胞障害性ペプチドを含む、炎症性メディエーターの放出を促進する。
*IL-36γ__ランゲルハンス細胞、ケラチノサイトに高発現。病原体の防御機構の最前線に位置している。ケラチノサイト、気管支内皮細胞のIL-1、IL-17による刺激で誘導される。
【目的】IL-36のPsA滑膜での発現と治療反応との関連について検討する
【結果】RAと比して、PsAの滑膜ではagonistであるIL-36が高値で、antagonistであるIL-36RA、IL-38は低発現であった。特にRAではIL-38が、PsAではIL-36がdiffuseに分布している。PsAでは好中球に関連するケモカインの発現が、RAと比して高い。DMARD non responderではBaselineの滑膜においてIL-36αが高発現している。PsA滑膜にIL-36を刺激するとRAと比して、IL-8の発現が上昇する。
Figure 1 PsA(n=14)ではRA(n=18)と比較して、IL-36αは高いもののIL-36RA、IL-38は低い。
Figure 2 PsAの滑膜にはRAと比較して、好中球のシグナルに関連するシグナルが強い。
Figure 5 DMARD non responderではBaselineの滑膜においてIL-36αが高発現している。
【重要なポイント】PsAの滑膜組織において、好中球の浸潤とそれに起因するサイトカインとしてIL-36 familyは重要な役割を果たしている可能性がある。RAとの病態の違いとしてサイトカインレベルでの違いを解明し、治療戦略を考えていく必要がある。
【今後の論文展開や論文に対する検討課題】
抗IL-36抗体の実臨床での可能性について検討が望まれる。PsA病態において好中球の遊走だけでなく、骨代謝への影響も今後検討課題と考える。
担当:磯崎 健男