乾癬性関節炎と強直性脊椎炎における     IL-18と心血管病変リスクとの関連  【Journal Club 20230412】

Associations of IL-18 with Altered Cardiovascular
Risk Profile in Psoriatic Arthritis and Ankylosing Spondylitis
著者 Krzysztof Bonek
雑誌名 Journal of Clinical Medicine

【目的】
乾癬性関節炎(PsA)および強直性脊椎炎(AS)の患者における血清脂質、心血管リスクおよび疾患活動性と血清IL-18との関連を調べること。

【結果】
・Table 1(患者背景)
  ・AS群 94人
  ・PsA群 61人(うち、体軸型14人、末梢型47人)
  ・有意差のあった項目はASDAS-CRP、血中グルコース、アテローム発生指数(AI)、
      血中HDL、血中TG、BMI、ウエスト、ヒップ、血清IL-18、MTXの使用、NSAIDsの使用

・Figure 1(PsA・ASにおける血清IL-18と脂質との関連)
    A:PsAにおける血清IL-18と血中TGとの関連:正の相関関係を示した
    B:PsAにおける血清IL-18とアテローム発生指数(AI)との関連:正の相関関係を示した
    C:PsAにおける血清IL-18と血中HDLとの関連:負の相関関係を示した
    D:ASにおける血清IL-18と血中TGとの関連:相関関係なし
    E:ASにおける血清IL-18とアテローム発生指数(AI)との関連:相関関係なし
    F:ASにおける血清IL-18と血中HDLとの関連:相関関係なし

・Figure 2(虚血性心疾患を有するPsAにおける血清IL-18と脂質との関連)
    A:血清IL-18と血中TGとの関連:正の相関関係を示した
    B:血清IL-18と血中HDLとの関連:負の相関関係を示した
    C:血清IL-18とアテローム発生指数(AI)との関連:正の相関関係を示した
    D:血清IL-18とDAPSAとの関連:正の相関関係を示した

・Table 2(体軸型PsA、末梢型PsA、ASにおける心血管系イベントのリスク因子)
  ・血中TG増加が末梢型PsAで特にリスク因子としてあがった。
  ・Figure 3(末梢型PsAにおける血清IL-18と脂質・圧痛関節痛数との関連)
    A:末梢型PsAにおける血清IL-18と血中TGとの関連:正の相関関係を示した
    B:末梢型PsAにおける血清IL-18と血中HDLとの関連:負の相関関係を示した
    C:末梢型PsAにおける血清IL-18と血中Non-HDLとの関連:正の相関関係を示した
    D:末梢型PsAにおける血清IL-18とアテローム発生指数(AI)との関連:正の相関関係を示した
    E:末梢型PsAにおける血清IL-18と圧痛関節痛数との関連:正の相関関係を示した

・Table 3(末梢型PsAにおけるIL-18の線形回帰モデル)
  血清IL-17濃度、血清TG濃度と圧痛関節痛はIL-18値と関連した。

・Table 4(末梢型PsAにおける血清TGの線形回帰モデル)
  BMIと、IL-18値は血清TG濃度と関連した。

・重要なポイントはどこか?
・ユニークなポイントはどこか?
・今後の研究展開や論文に対する検討課題
 一般にPsAでは、IL-17やIL-23が病態形成に関与するとされており、治療標的ともなっている。本研究では、IL-18に焦点を当てている。

担当:西見慎一郎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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