Ann Rheum Dis doi:10.1136/annrheumdis-2014-205897
Digital ulcers predict a worse disease course in patients with systemic sclerosis
Carina Mihai et.al.
http://ard.bmj.com/content/early/2015/02/16/annrheumdis-2014-205897
指尖潰瘍は強皮症患者の病状悪化の予測因子になるか。
【目的】
強皮症診断時の指尖潰瘍の有無(HDU:history of digital ulcers)が、死亡率や病状悪化の予測因子になるかどうかを検討する。
【方法】
EUSTAR datebase(1980ACR分類基準を満たすもの)を用いて、
少なくとも3年以上経過した症例と死亡した症例もエントリーした。
HDUの有無で、患者の性別、年齢、罹患期間、皮膚病変、セントロメア抗体、トポイソメラーゼ抗体、レイノー現象の有無を調べた。また、皮膚病変の悪化、呼吸機能検査、心機能、肺高血圧、腎クリーゼ、死亡率を比べた。
統計解析:IBM SPSS V.20.0 and SAS V.9.2 p value <0.05
【結果】
N=3196のうち、HDU(+)は1092/3196(34.1%)
多変量解析で年齢、性別と考えられるパラメーターを調整した結果、HDUはactive DUs、US-PAPsの上昇、心血管イベント、死亡率上昇の予測因子となりえた。その他、HDUは呼吸機能、肺高血圧、死亡率ではHDU(+)と関係があるかもしれない。皮膚硬化の悪化、腎クリーゼの発症率では有意差がつかなかった。
【結論】
強皮症患者のHDUは心血管イベントの上昇、生存率の低下と関連する。
【考察】
HDUは新たなDU発症のリスクとなるだけでなく、生存率を低下させるような、肺高血圧や心血管イベントと関係がある。
担当:猪狩 雄蔵
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