Journal Club【2016330】指尖潰瘍は強皮症患者の病状悪化の予測因子になるか

Ann Rheum Dis doi:10.1136/annrheumdis-2014-205897

 

Digital ulcers predict a worse disease course in patients with systemic sclerosis

Carina Mihai et.al.

http://ard.bmj.com/content/early/2015/02/16/annrheumdis-2014-205897

 

指尖潰瘍は強皮症患者の病状悪化の予測因子になるか。

 

【目的】

強皮症診断時の指尖潰瘍の有無(HDU:history of digital ulcers)が、死亡率や病状悪化の予測因子になるかどうかを検討する。

【方法】

EUSTAR datebase(1980ACR分類基準を満たすもの)を用いて、

少なくとも3年以上経過した症例と死亡した症例もエントリーした。

HDUの有無で、患者の性別、年齢、罹患期間、皮膚病変、セントロメア抗体、トポイソメラーゼ抗体、レイノー現象の有無を調べた。また、皮膚病変の悪化、呼吸機能検査、心機能、肺高血圧、腎クリーゼ、死亡率を比べた。

統計解析:IBM SPSS V.20.0 and SAS V.9.2  p value <0.05

【結果】

N=3196のうち、HDU(+)は1092/3196(34.1%)

多変量解析で年齢、性別と考えられるパラメーターを調整した結果、HDUはactive DUs、US-PAPsの上昇、心血管イベント、死亡率上昇の予測因子となりえた。その他、HDUは呼吸機能、肺高血圧、死亡率ではHDU(+)と関係があるかもしれない。皮膚硬化の悪化、腎クリーゼの発症率では有意差がつかなかった。

【結論】

強皮症患者のHDUは心血管イベントの上昇、生存率の低下と関連する。

【考察】

HDUは新たなDU発症のリスクとなるだけでなく、生存率を低下させるような、肺高血圧や心血管イベントと関係がある。

 

担当:猪狩 雄蔵

****************************************

・昭和大学リウマチ膠原病内科では、毎週水曜日にJournal Clubを通じ新しい知見を得る機会を設けています。

 

・昭和大学リウマチ膠原病内科では、若手医局員の教育に注力しております。詳細はこちらをご覧下さい。

 

・昭和大学リウマチ膠原病内科では、研究するための時間を確保するprotect time制度を開始いたしました。こちらをご覧下さい。

 

・昭和大学リウマチ膠原病内科では、他医療機関での研修を年に1週間行っております。こちらをご参照ください。

 

・昭和大学リウマチ膠原病内科では、広い視野を持てる医師を育成したいと考えております。医療コミュニケーション教育理論の勉強会を行っております。

 

・昭和大学リウマチ膠原病内科では、手稲渓仁会病院の岸田先生による感染症専門医による感染症コンサルテーションを年に3−4回行っております。詳細はこちらをご参照ください。

 

・昭和大学リウマチ膠原病内科では、ケースベースの膠原病勉強会を行っております。こちらをご覧下さい。

 

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

私たちと一緒に学びませんか?

プログラム・募集要項はこちら


昭和大学病院
〒142-8666 東京都品川区旗の台1-5-8
アクセスマップ
電話:03-3784-8000(代表)

[初 診]月曜~土曜 8:00~11:00
[再 診]月曜~土曜 8:00~11:00(予約のない方)
[休診日] 日曜日、祝日、創立記念日(11月15日)、年末年始