Journal Club【2016323】抗SSa抗体はRAの生物学的製剤の予測因子となり得るか。

Mod Rheumatol. 2016 Feb 12:1-19

 

Association of anti-Ro/SSA antibody with response to biologics in patients with rheumatoid arthritis

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26873159

 

抗SSa抗体は生物学的製剤の予測因子となり得るか。

目的:

関節リウマチ(RA)において抗SSa抗体の有無で3つの生物学的製剤(IFX,TCZ、ABT)の効果に違いがあるかを調べた。

方法:

筑波大学付属病院で2003年から2014年の間に初めて生物学的製剤を導入した110人のRA患者を対象とした。抗SSa抗体の関与について調べた。患者群は経静脈的にIFX、TCZ、ABTを使用した。使用薬剤毎に抗SSa抗体の有無、臨床的な特徴、投与後0,6,12ヶ月時点での疾患活動性(DAS28、SDAI、CDAI)を評価した。

結果:IFXを使用した群が59人(SSa陽性 9人、SSa陰性 50人)、TCZを使用した群が27人(SSa陽性 5人、SSa陰性 22人)、ABTを使用した群が24人(SSa陽性 13人、SSa陰性 11人)であった。
IFX使用群において、抗SSa抗体陽性者は疾患活動性の改善が乏しかった。
TCZ、ABT群では陽性、陰性に関わらず、疾患活動性が改善した。

抗SSa抗体陽性RA患者にIFXを使用した場合、1年以内のHACA (Human anti-chimeric antibody,IFXの中和抗体)の出現率、ANAの陽性化率が高かった。また血清中のTGFβ値が低かった。

 

結論:

抗SSa抗体陽性RA患者はIFXの効果が乏しかった。

抗Ssa抗体はIFXの抵抗性を示唆する可能性がある。

TCZ、ABTでは抵抗性は認めない。

 

考察:
IFXが抗SSa抗体陽性例で抵抗性であった理由として、
①   HACAが出現しやすい
②   ANAが陽転化しやすい
③   サイトカインの違い、TGF-βが低い(抗TNFαが効きづらい)
等が挙げられる。

 

担当: 石井 翔

 

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