Possible effect of abatacept on the progression of interstitial lung disease in rheumatoid arthritis patients
Tamao Nakashita, M.D.et al.
Department of Rheumatology, Kameda Medical Center, Japan
Respir Investig. 2016 Sep;54(5):376-9.
P:ILD合併のRA患者
E:アバタセプト使用
C:TNF製剤使用
O:有効性と安全性
1.セッティング:
亀田総合病院アレルギーリウマチ科(単施設)
2.研究デザインの型:
後ろ向きコホート+観察研究
3.Population、およびその定義
亀田総合病院アレルギーリウマチ科通院中のILDを合併RA患者で
アバタセプトを使用した16人
RAの診断。臨床症状によるリウマチ医の判断、病歴、検査結果を総合判断。
ILDの診断:2名の呼吸器科医
ILDのgrade評価:Nakashita T, Ando K, Kaneko N, et al. Potential risk of TNF
inhibitors on the progression of interstitial lung disease in patients with
rheumatoid arthritis. BMJ Open 2014;4:e005615.による。
RAの活動性評価:DAS28-ESRとSDAI
4.主な要因、および、その定義
アバタセプトを使用(16人)
5.Control、および、その定義
TNF製剤を使用(46人)
6.主なアウトカム、および、その定義
1年間の有効性と安全性
ILDの悪化があるか(CTでの評価)
7.交絡因子、および、その定義
年齢、性別、RAのstage, class、KL-6、PSLの使用率と使用量、
ILDのgrade
8.解析
Wilcoxon signed-rank test
使用ソフト:SPSS Version 21.
9.結果(箇条書きで、大事なところのみ)
アバタセプト使用例はILD eventsはなかった。(TNFは30.4%、p=0.013)
前後で変化なし:ILD grade, KL-6, 経口ステロイド使用量
前後で改善した:MMP-3, DAS28, SDAI
10.どのように臨床に活かす?どのように今後の研究に活かす?(箇条書きにて記載。論文中の記載から抜粋、および、自分考えたものを記載)
ILD合併のRAにアバタセプトは慎重に使用できる(かも)
11.Limitation(箇条書きで)
単施設研究
少数例での検討
呼吸機能の解析がない
肺病理の検討がない
アバタセプトをILD合併例に優先して使用している可能性
12.自分で考えた交絡因子
喫煙歴
MTXなどのDMARD使用歴、併用
アバタセプトは点滴か皮下注射か
BMI
罹病期間
ILDの種類(UIP, BO, OPなど)
他の肺疾患の合併(COPD、気管支拡張症、Tbなど)
13.この論文の弱点(自分で考えたものを記載)
Table 1はTNFとの比較をしているが、Fig 1では比較していない。
(PECOを装っているが、Cの結果がない。)
Fig 1はABTの前後比較のみ。
(TNFはdiscussionに過去の文献について述べられているのみ)
ILD悪化以外の副作用の記載がない。
アバタセプト使用群でTNF使用歴が不明
RAの診断にACR/EULAR2010が使用されていない
14.理解できなかった点
なぜ、Fig 1でTNFとの比較をしていないのか。
15.好ましい点
ILD合併RAに対するアバタセプトの有効性と安全性(とくにILDの悪化)を検証した点
ILDをgradeで評価していること。
担当:三輪裕介