Diagnostic performance of 18F-fluorodexyglucose positron emission tomography in giant cell arteritis: a systematic review and meta-analysis
Florent L. et al.
Eur J Nucl Med Mol Imaging. 2011 Sep;38(9):1764-72
研究デザイン)
システマティックレヴュー
GCAの診断に対するFDG-PET検査の精度を検討する
文献検索)
出版:~2011年11月まで 検索DB:PubMed、Embaseおよび Cochrane Library
その他条件:英語文献に限定
検索ワード:MeSH :“giant cells arteritis” or “polymyalgia rheumatica” and “positron emission tomography.”
文献選択)
アブストのみと症例報告は除外、n≧8の研究のみ選出し、QUADASを使用し2名の選出者が別個に選出
組み込み基準は以下の3つを満たす
(1)GCA、PMRに対しFD-PETを診断ツールとして用いている
(2)GCA、PMRともにACR分類基準を満たす
(3)コントロールグループがあること
それぞれの研究に対し14項目を使用し質の評価を行い
<7をlow, 7-10をgood, >10をhighとした
PET集積評価)
0-3のvisual scoreを使用:4研究
肝臓集積と比較した4段階評価:4研究
大動脈への集積が`intense`であるか否か(基準無し):1研究
各研究の概要)
1.PMRの集積は肺血管にSUV1.58±0.37 (Moosig. et al.)
2.GCAにおける大血管への集積 SUV 3.4(Henes. et al)
3.⇒GCAでは平均6±0.2 PMRでは0.8±1.7
・no uptake:1 moderate uptake:2 high uptake:3点
・胸部大動脈、腹部大動脈、鎖骨下動脈、頸動脈、腋窩動脈、腸骨動脈、大腿動脈 7箇所
・Total vascular score:0-21点で評価
(Arthritis rheum 2006;55(1)131-7)
(Rheumatology(Oxford)2007;46(4):672-7)
4.22例側頭動脈限局型のGCA 超音波陽性22例では全例でPET集積はみられなかった
径の小さな血管ではPET集積による炎症の描出は難しいと結論づける
(Rheumatology(oxford) 2004; 43 (2):241-2)
報告全体としては、GCAのPET集積の特徴は、大動脈おとびその主分枝に線上(linear)もしくは長区間の集積肝臓の集積(SUV)よりも高い集積
結果)
・3つの基準を満たす6研究が対象(quality ; high 3 , good3)
・GCA:81例
・PMR with subclinical GCA:10例
・コントロール:182例
・上記6研究(血管炎:コントロール 101:182)から得られた診断精度
・感度:0.8(95%CI 0.63-0.91) 特異度:0.89(0.78-0.94)
・陽性尤度比:6.73(3.55-12.77) 陰性尤度比:0.25(0.13-0.46)
・ESRやCRPの値による集積の影響も分析
14研究中、6研究でPET集積と炎症マーカーとの関連を検討
4つの報告では疾患活動性、CRPやESRとPET集積に相関はないと報告
MoosingはPET集積とCRP,ESRに強い相関を指摘(r=0.68 P<0.0001 , r=0.79P <0.0001)
Limitation)
・GCA、PMRとも診断基準が曖昧⇒診断基準を満たさないケース、もしくは満たすが、他疾患の可能性もあり、本疾患のようにもともと診断根拠が曖昧なものの場合、検討が難しい。診断研究SRの限界か。
・コントロール群の基準の記載がない。動脈硬化への集積に対し検討がない 特にコントロールに動脈硬化はどの程度エントリーされてたか不明
・病理診断がないものもGCAとして考査している
(その他の大血管炎の可能性も考慮すべき)
・ビジュアルスケールであるため評価者によるバイアスあり
どのように臨床に活かすか)
PET検査の結果考察には、コンセンサスが不十分であるとおもって臨む
GCAに対するPET検査は診断の一助に過ぎない
造影CTの前後変化、側頭動脈病理検査、治療効果など含め、より確かな検討が必要
担当:高橋良