IL-17A induces osteoblast differentiation by activating JAK2/STAT3 in ankylosing spondylitis.
Arthritis Res Ther. 2018 Jun 7;20(1):115
<目的>
骨増殖性変化を来しうる炎症性疾患におけるIL-17Aの役割を検討する。
血清関節液中のTNFやIL-17Aを測定したところ、OAと比してIL-17A、IL-22/23はASでは高値であった(Figure 1)。
ASと健常人からの骨由来細胞(bone-derived cells:BdCs)を用いて実験に供した。JAK2およびSTAT3は高発現していた(Figure 2)。BdCsのALP活性化に関してはTNFやIL-22/23では変化しなかったのに対して、IL-17A刺激では活性が上昇した(Figure 3)。AS患者血清をBdCsに添加したところ、ALP活性は上昇した(Figure 4)。他方この反応はAG490を添加することによって抑制された(Figure 5)。
<結果>
Figure 1.a)血清b)関節液中のTNF-α、IL-17A、IL-22/23濃度。
Figure 2. ASの骨芽細胞ではIL-17AやJAK2、STAT3は高発現している。
Figure 3. ASのBdCsではALPの産生が多く認められ、IL-17A刺激による時間依存性、濃度依存性に増加する。
Figure 5. ASの患者血清を添加することによって、ALPの活性はAG490を添加することで低下する。
<重要なポイント>
IL-17がAS患者骨由来細胞に対してJAK2/STAT3の系を介して直接ALPの活性に関与していることが証明された。
<今後の論文展開や論文に対する検討課題>
生体内での治療の際、IL-17AとJAK2とどちらがメインで骨由来細胞に関してターゲットとして有効性が高いのか?
担当:磯﨑健男