SLE患者の血清HMGB1はIFNαと相関し、疾患活動の予測となりうるかもしれない【Journal Club 20190724】

Serum high mobility group box 1 protein levels are not associated with either
histological severity or treatment response in children and adults with
nonalcoholic fatty liver disease.

2017 Nov 2;12(11):e0185813.

HMGB1(high mobility group box protein1)は全ての有核細胞の核内に存在する非ヒストン核蛋白質であり,核内においてDNAと結合し,DNAを折り曲げ,NF-κB,ステロイドホルモン受容体など様々な転写因子の活性を間接的に調節している.HMGB1を欠損したマウスはグルココルチコイド受容体機能不全などにより生後まもなく低血糖で死亡する.このように,HMGB1は細胞の核内において,必要不可欠な役割を担う.また,HMGB1は細胞によっては細胞質や細胞膜上にも発現しており,細胞膜上のHMGB1はamphoterinとしても知られており,神経突起の伸長や平滑筋細胞の遊走,癌細胞の浸潤,転移などにかかわっている.

【目的】HMGB1はSLEの疾患予測となりうるか

【結果】35名SLE患者では血清HMGB1とIFNαは相関している(Figure 1)。SLE血清中サイトカインはRAと比較して、IL-2やIL-6は低く、IFNα、HMGB1、sTMは高値であった(Table 2)。また、IFNαとHMGB1は疾患活動性の高い群で高かった(Table 3)
IFNαが陽性のグループでは関節炎、腎障害、発熱があり、一方HMGB1が高値のグループでは腎障害と発熱を来す割合が高かった。

【重要なポイント】血清IFNαとHMGB1が高値である軍は、腎障害、発熱を来す可能性が高い

【今後の論文展開や論文に対する検討課題】HMGB1がSLEの病態にどのように影響するか?HMGB1がSLEのどの臓器にどのような形で影響を及ぼすのか?

 

担当:磯﨑健男

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